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「どん底に落ちたとき救ってくれたのは、信頼できる仲間だった」――オリエンタルラジオ・藤森慎吾のジェットコースター人生

 

どこまでが素で、どこからが演技なのか。

嫌みのない爽やかな“チャラ男”キャラがすっかり定着したオリエンタルラジオの藤森慎吾が、9月22日(木・祝)公開の映画『闇金ウシジマくん Part3』で、

 

借金を重ねるチャラいサラリーマン役を好演。撮影時のエピソードをはじめ、これまでの芸人人生を振り返って思うことから、デートに誘うときの決めゼリフまで…絶好調な「今」の想いをたっぷりと語ってくれた。

 

芸人としての自らの立ち位置を冷静に見つめつつ、常に周囲を楽しませることを忘れない。やはりこの人…ただのチャラ男ではありません!

撮影/平岩 享 取材・文/古俣千尋 制作/iD inc.



「チャラチャラしてて、女好き」な役の人生に共感!?


――ピンクのスーツ、お似合いですね!

いやぁ、ピンクのスーツなんて初めてですよ。映画の告知イベント用に用意されていたんですが、なぜか僕だけピンクっていう(笑)。

――普段はご自身で洋服を選んでいるんですか?

自分で選ぶことが多いですね。でも今回のように用意されていることも時々あるんです。

――映画『闇金ウシジマくん』は非合法な金利で金を貸し付けるアウトローの金融屋社長、山田孝之さん演じるウシジマを主人公に、金と欲望に翻弄される人々を描く作品。

 

その『Part3』で藤森さんが演じているのが、欲望を抑えられずに借金をどんどん重ねていく大企業のサラリーマン・加茂 守。役柄が、本当にハマっていましたね。



ありがとうございます! いやいや、「逆に、どうでした?」って、感想を聞きたいぐらいなんですけど(笑)。

――とにかく、ダメダメっぷりが…見事でした(笑)。

ダメなんですよね~、加茂は。文字通り、本当にカモなんです。



――演じてみて、いかがでした?

現場では監督が本当に丁寧に指導してくれたので、すごくやりやすかったですね。正直、僕はお芝居は素人だし、カッコつけて役作りがどうとかは語れないんですけど、「チャラチャラしてて、女好き」という点は自分ともリンクするというか。ダメなりに、女性に対するどん欲さは持ってるところとか。

 

 

――じゃあ、ダメな加茂にも共感できちゃったり?

加茂は借金して一度どん底に落ちたけど、あるタイミングでお金を返せることになって。でも、いざお金を手にしたら、前回の失敗を完全に忘れて、同じ過ちでお金を失う。そしてまた借金して、どん底…。この加茂の人生が、自分の芸人人生とすごい似てて、共感できましたね。

――人生と似ている…!? 

ちょっと調子いいなと思ったら、すぐ天狗になっちゃって。それでストーンとどん底に突き落とされて。そこで失敗に気づくんですけど、また調子が上向いてくると、失敗してたことを忘れちゃう(笑)。

――この失敗を次に生かそうとは?

…って、思うじゃないですか。でも、人間って不思議なもので、こりないです。「お前、もうやめとけよ」ってまわりに思われて、本人もわかっているのに、同じ過ちをしてしまう。人間のサガでしょうね。だから映画も、誰もが共感できる部分があると思うんですよ。加茂だって一見クズですけど、「いえいえ、誰でもこうなる危険性ありますよ」っていう。



上昇と下降を繰り返す、まさにジェットコースター人生



――藤森さんといえば、05年のデビューと同時に「武勇伝」ネタが大ヒット。その後は不遇の時代が続きながらも、11年、“チャラ男”キャラで再ブレイクし、16年、「PERFECT HUMAN」で再々ブレイクを果たしました。先ほど、芸人人生の話も出ましたが、ご自身で今までを振り返られて、いかがですか?

本当に、浮き沈みが激しい人生ですね。ジェットコースター人生。もちろん、安定するに越したことはないですけど、まあ、はからずともそうなってしまうというか(笑)。

――はからずとも…(笑)。

でも、結果そのほうが人生楽しいという部分もあるし、調子いいままずっと続くということはない。逆に言えば、落ち込んでもそれがずっと続くことはないんだなっていうことが、自分たちでもわかってきました。

――なるほど。

毎回同じなんですよ、失敗の原因が。「すぐ、調子に乗る」っていう(笑)。調子に乗って、まわりが見えなくなって、天狗になる。で、たたき落とされる。折られた鼻といっしょに腰も折れる…ということの繰り返し。学習しないなと、自分でも思いますね。



――落ちているときって、どんな感じなのでしょうか?

そうですね〜。最初はまず、「状況が把握できない」ですね(笑)。「さっきまで調子よかったのに、何でこんなことになってんの?」。それで、高いところからだんだん緩やかに下降して、地上が見えてくる。「あ、やっべ。落ちてんだ、今」…って。

――どういう感情になるんですか?

まず、誰かのせいにしたがります。自分は悪くないと。まあ、身近なところでいうと相方やマネージャーのせいにするとか…。でも、結局それも違って、自分が悪かったんだっていうことに、地上に着地したときにようやく気づく。そこで、もう一回、謙虚になって、また上昇していけたらなっていう気持ちに切り替えるんでしょうね。

――素直に認めて、冷静に判断するんですね。

認めるしかないですよね、落ちると。もう、そこには何もないので。本当に、謙虚であることが身にしみて大事なんだなということが、落ちたときにわかりました。

――何度かのアップダウンを経て、この先の人生で大切にしていきたいと思っていることは?

どん底に落ちたとき、信頼できる仲間がいるっていうことがひとつの救いでした。調子いいときって、仲間の存在をおろそかにしがちなんですけど、だからこそ自分を助けてくれる仲間をずっと離さないこと、ちゃんと恩返しをすること。そういうことに、気づかされましたね。



バラエティ番組でもあんなにカラダを張ったことはないのに…



――映画の中で、印象深かったシーンはありますか?

いろいろありますよ。単純にキツかったのは、川に飛び込むシーン。撮影したのが真冬で、むちゃくちゃ寒くて。バラエティでもあんなにカラダ張ったことはないのに。ガチで5~6回潜りました。一瞬、監督をうらみましたね(笑)。

――まさに、体当たりですね。



あとは、筧 美和子さんとの、キャバクラのシーンも多かったんですが、監督に指示してもらいながら、現場の空気やノリでセリフを変えたりすることもけっこうあったんです。バラエティには決まった台本ってあんまりないんですが、それに近い感じでしたね。しっかり本筋があった上で、現場現場で仕上げていくっていう進め方が、僕に合っていて楽しかったです。

――原作がマンガですし、実際にはありえない設定なのに、すごく自然に見えました。

本当ですか? そのお言葉、ありがたく頂戴します! ミーハーなので、こういう役者のお芝居もしてみたいなとはずっと思っていて。これほどのキャストのみなさんに囲まれ、こんなに超人気の話題作に出させてもらうのは初めてで、すごく嬉しいです。だからツイてますよ、今年は!

――今後、役者の仕事をやってみたい気持ちは?

それはもう、メチャクチャありますね。なんせ、有名になりたくてこの業界に入ったんで。オファーがあれば、どんな役でもやらせていただきたいなって思っています