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「エサ金魚」のカープ君、3年半逃げ続ける オオサンショウウオと奇妙な共棲

 


オオサンショウウオの水槽にエサとして入れられた和金の「カープ君」が、3年半近く逃げ続け、今や全長25cmにまで成長。

 

高知県にある動物園「わんぱーくこうちアニマルランド」の水槽内では、金魚とオオサンショウウオの不思議な関係が続いているといいます。

なかなかたくましい金魚ですね。今どのように過ごしているのでしょうか? 「カープ君」の名付け親であり、オオサンショウウオの飼育を担当する学芸員の吉川貴臣さんに、彼の近況を聞いてみました。

災難続きのカープ君 ジャガーのエサだった時代も


カープ君がオオサンショウウオの水槽に入れられたのは、2012年の後半頃。カープ君は2010年の春に、わんぱーくこうちで繁殖された個体なのだそう。

 

この時生まれたのが200匹以上。オオサンショウウオの水槽で見事生き残っているカープ君ですが、エサとしていろいろな場所を転々としてきました。

「繁殖して生まれた金魚は、まずコウノトリやカモなど50羽が飼育されているバードハウスの池に、鳥のエサとして、また鳥の食べ残しや糞やコケを食べてもらうために放しました。池の掃除で排水をするときに、流されてしまう金魚もいます。

 

そうして生き残ったカープ君を含む金魚たちは、2012年後半から2013年までジャガーのエサとして、ジャガーの展示場にある池に移しました。ここで生き残ったのが10匹。その生き残りを、オオサンショウウオの水槽に入れたんです」(吉川さん 以下同)

いろいろな天敵から生き抜いた、猛者ですね。ちなみにオオサンショウウオはどんな個体なんですか?

「27歳の女の子で、ひろしまあさこちゃんといいます」

……ずいぶん女子っぽい名前ですね。

和金は美味しくないらしい

 


「あさこちゃんは、広島県にある安佐動物公園で繁殖された個体で、出身が分かるように名付けました。現在全長約1メートル。

 

毎週土曜日の15時半にアジ3匹を与えています。どうも和金は美味しくないらしく、今年のゴールデンウイーク頃まで仲間がもう1匹いたんです。あさこちゃんがメタボ気味だったのでエサを減らしたら、相方が食べられてしまいました」

ちなみにオオサンショウウオの展示場内には他の川魚やモクズカニなどがいて、あさこちゃんに捕食されることもあるとか。

オオサンショウウオは、鼻先に通ったものはなんでも噛みつくという習性があるといいます。食べられないようにかわし続けるのは、けっこうたいへんなんじゃないでしょうか?

オオサンショウウオが食いつくスピードは、とても俊敏です。普段のあさこちゃんは動かず、岩に化けています。目の前に魚が来ると、パクッといくわけです。私の見る限り、カープ君はなるべく口の前に行かないようにしていますね。狙われてもあさこちゃんの動きを見切っている様子で、スルリとかわしています」

ちなみに「カープ君」と名付けた吉川さんは、広島カープファン?


「どちらかというと、ジャイアンツファンです」

違った!

カープ君という名前は、今年広島カープが25年振りのリーグ優勝があったので、25cmというサイズにちなんで名付けました。また鯉のようになった姿を英語のcarp(鯉)にもかけています」

なるほど。いまや鯉サイズですからね。とはいえ、金魚でも名前を付けるくらいの愛着をお持ちのはずです。カープ君の危険を避けるために、別の水槽へ移動する予定はないのでしょうか?

「来場者の方からは『かわいそうだから、分けて展示してあげてほしい』という声もありました。でも水槽を別にしたら、カープ君はただの大きい和金になってしまいます。移動する予定はありません」

2匹の不思議な関係を見守ってほしい

 

 


テレビでの報道もあり、和歌山など県外から2匹を見に来る来場者もいるそう。最後に2匹に対する思いを聞いてみると

「国の天然記念物である希少なオオサンショウウオのあさこちゃんと、がんばって生き残っている金魚のカープ君。どちらもかわいがってもらえれば、と思っています」

今も悠々と水槽内を泳いでいるという、カープ君。スリリングで奇妙な共棲生活は、まだまだ続きそうです。
(石水典子)